濡羽色(ぬればいろ)-古く美しい日本語-

濡羽色(ぬればいろ)-古く美しい日本語-

濡羽色(ぬればいろ)とは

烏(からす)の濡れ羽色や濡れ烏(ぬれがらす)ともいう、
この言葉は古くからある日本の伝統色、和色の中の一つです。
日本人女性の理想的な黒髪を形容し、特に濡れたような艶がある美しい黒髪を
褒め称える時に使う言葉です。

色について

色としては青みを帯びた黒、やや緑かかった黒、濃い紫などを指して使います。

語源について

言葉の通り語源は、濡れた烏の羽の色からきています。
今でこそゴミを漁る鳥としてイメージがよくないですが、古くは神話にも八咫烏(やたがらす)が登場するなど神秘的なイメージが強い鳥でした。
そして烏をよく観察すると分かりますが、その羽は純粋な黒色ではなく青や藍、紫や緑など光の加減によって数々の美しい色を帯びているように見えます。更にそれが雨に濡れることによって黒色の深みが一層増します。
きっと先人達は、その神秘的で美しい烏の姿に感銘を受けてこの言葉を作ったのでしょうね。

むすび

昔の人にとって自然はもっと身近なものだったのでしょう。だから彼らが作り出した言葉には自然を形容するものが多くをしめております。
千年以上昔を生きた先人に思いを馳せながら、古く美しい日本語について語り次いで行けるように私、自身勉強を重ねて行きたいと思います。